気まずい帰り道
僕等の学校生活
一緒の帰り道
「沖田っ!ちょっと待つアル!」
呼びかけても止まらずにずんずん歩いて行ってしまう。
やっぱりあの気まずい空気が私と沖田の間に漂っていて物凄く居心地が悪い
(自分が悪いってわかってるけど!)
わかってる、わかってる!
あんな風に顔を背けるなんて。
でも自分でもなんでか分からない。
(とにかくわかってるのは沖田の顔を直視出来なかったって事だけ!)
「待ってヨ!オイ、コノヤロー!」
やっぱり振り向かない。
ずんずんと私の前を歩く沖田を睨みつける。
「もう、知らないアル!沖田のバ―?!」
歩いていた道の段差を踏み外し、よろけた。
(こける・・・!)
次にくるはずの衝撃を予想して目を固くつむる。
(―アレ?)
衝撃がこない。え、なんで?
恐る恐る目を開いたら目の前は一面黒色。
顔を上げてみるとそこには、
「あぶねェな・・・」
「お、きた・・・」
目の前に広がっていたのは沖田の学ランの色だった。
そして自分は今沖田の腕の中にいることに気がついた。
(抱きしめられている、とも言う!)
教室の時より顔が近くて心臓がドキドキいってる。
また凄く恥ずかしくて顔を背けた(今日の私は私じゃないぐらいに女の子な気がする!)
「は、なして」
「嫌でィ」
「離せヨ」
「やなこった」
「・・・沖田、離してヨ」
「神楽、」
「・・・っ」
沖田は離すどころかさらに力を入れた(ドキドキが早くなる!)
「離れてほしかったら」
「さっきの理由、いいなせェ」
「さっきの・・・」
(顔が暑い。反らしていても沖田の視線を感じる)
「別に、理由なんかないネ」
「じゃあなんであんな風に顔、反らしたんでィ」
「それは、」
「俺が、傷つかないとでも思ってんのか?」
「!」
思わず顔を上げてしまった。
当たり前だけど目の前には沖田の顔があって。
いつもみたいに、ニタリと笑ってるかと思ったのに。
(むしろそうだった方がよかった)
顔を上げて見た沖田の顔は、見たことのない表情をしていた。
(目を細めて、ちょっと眉間に皺が寄ってた。そう、まるでホントに傷ついたかのように)
「だから、私もよく、わからないアル・・・」
「どーいう事でィ」
「だから!わかんないのヨ!でも、あの時沖田の顔を見れなかったアル・・・」
それだけ言って顔を下に向けた。
沖田が息を飲むのを感じた。
「それって、」
沖田の表情は見えないからわからないけど声からして笑ってる気がした。
よかった。機嫌は良くなったみたいだ。
「俺に惚れてるって、事かィ?」
「・・・ハ?!」
思わず顔を上げてしまった。
すると沖田は笑っていた。あのニタリとした笑い方だけど。
「な、なな何言ってるアルカ?!」
「だってそーじゃねーかィ?俺を意識して―・・・って考えたら」
「ち、調子に乗るなヨ!」
ありったけの力を出して沖田を突き飛ばす。
「だぁれがっ!お前なんか好きにナルカ!バ、バカヤロー!!」
そう言い残して私は走りだした。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!私があいつを?まさか!
とにかく今はここから逃げたい!
顔が暑いのを意識しながら私は走った(全速力!全力疾走!!)
「―っハハ、あんな顔赤くてどもって言われても、全く説得力ないでさァ」
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