抜き打ちだなんて聞いてない!



「うぉら、てめーら抜き打ちテストすんぞー」

銀ちゃん(先生)があんな事言わなかったら私は今此処にはいなかったのに。

僕等の学校生活

抜き打ち、そして補習

「抜き打ち?!」
「聞いてねーよ!」

教室中からブーイングの嵐。
そうだみんな!ブーイングをして先生のやる気を無くそう!

「バカかお前ら!言ってねーから抜き打ちっつーんだろーが」

ごもっともで。でも嫌なものは嫌だ!

「テストなんか、やる意味がわからねーや」

なぁ?とこっちを向いて目で問いかけてきた。

「奇遇アルナ、私もそう思ったアル」
「今日は気が合うなァ」
「そーネ」

そう言ってやったら隣の奴―沖田はちょっと目を丸くして驚いていた。

「なにヨ」
「いやァ、否定するかと思ったんでねェ」
「私はいつも素直アルカラナ!」
「へーへー」

会話はここでストップ。
悪夢の抜き打ちテストの用紙が回ってきたからだ。
(よし―やってやろうじゃないか!)
そうして私はテスト用紙に挑んだ。




「神楽ちゃん、どうだった?テスト」
「姐御!うー、多分、大丈夫アル!」
「まァ、凄いわ。私あんまり解けなかったもの」
「姐御が解けないなんてありえないアルヨ!」
「そうですよお妙さん!貴女が解けない問題なんてこの世にな―「何処からわい
て出て来たんだこのゴリラァァア!」

ガラリ、教室のドアが開いて先生が入ってくる。

「うっせーぞお前ら、早く座れ」

がたがたと各自、自分の席につく。
そして新八の号令でまたがたがた音をたててみんな教室を出て行く。
私も帰ろう、と思って鞄に手を伸ばしたら机に影がかかった。

「?」

顔を上げるとやる気ない目をした銀ちゃん先生。

「何アルカ?」
「お前、今日補習な」

へ、補習?

「え、なんでアルカ!」

そしたら銀ちゃん先生に頭を叩かれた。

「なんでアルカ、じゃねーよ!心当たりあるだろ!」
「まさか、銀ちゃん先生が隠してたチョコ食べたから?」
「あれお前だったのかよ!じゃなくて、これだ、これ!」

そして顔の前に突き付けられたのは今日やった抜き打ちテストの用紙。

「もう採点したアルカ、早いネ銀ちゃん先生〜」
「お前点数ありえないから、ホントに受験生?って感じの点数だから」

名前の横に赤ペンで殴り書きされた点数は・・・15点。

「じゅーご、アルカ」
「そーだよ、だから補習な」
「一応二ケタいってるからいいアルヨ」
「俺が怒られんの、理事長に。だから補習な補習」
「でも銀ちゃん先生!」

きっと先生はこのネタに食いつくはずだ。そして私もきっと帰れる!

「もうすぐ渡る世間は鬼ばかりチクショーやってらんねーよパート2が始まるネ
!ぴんことハルエのバトルが気になるアル!」
「忘れてた!今日じゃねーか・・・!」
「ネ!だからもう帰ろうヨ」
「・・・よし、こうしよう」

ポン、と手を叩いてニタリと笑った。

「沖田くん!」
「・・・なんですかィ」

まだ帰ってなかったのかコイツ。
っていうか・・・なんだか嫌な予感がするアル。

「沖田くん、俺の代わりに神楽に古典教えてやって!」
「なんで俺が」
「そーヨ先生!なんでコイツが!」
「沖田くんの点数は86点だから」
「へ?」

86?はち、じゅーろくぅ?!

「マジでか!」
「大マジでィ、てかこんな簡単な問題で15点の方がありえねーよ」
「よし、って事で決まりな、後はよろしく沖田くん!」

そう言って先生は教室から走り去っていった。
(私もぴんことハルエに会いたかったアルぅ!)

「ハァ、めんどくせェ」
「じゃあ断ればよかったのに!」
(そうしたら私も帰れたのに)

「・・・とりあえずやるぜィ、オラ、教科書だせや」
「う゛ぅ・・・」

しぶしぶ教科書を出す(さよなら、ぴんこ、ハルエ)



「で、これは係結びで―」
「打ち消しの助動詞が―」
「お前、バカか!今言っただろィ!」



「わかったから!ちょっと黙るヨロシ!」

教えてもらってるのにこの言い草は酷いかと思ったけど言ったものはしょうがな
い(こんなにスパルタだとは・・・!)
でもいざ黙られると静かすぎてやりにくい。
向かい合って座っている沖田をちらっと見てみた。
沖田は本を読んでるらしく、目を伏せていた。
(コイツ、こうやって見ると綺麗な顔してるアル・・・色白いし、モテる理由が分かる気がするネ)
なんて事を考えていたら沖田が顔を上げて視線が絡んだ。なんでか、顔が熱くなった。

「何見てんでさァ」
「べ、別に見てなんかっ・・・」
「どーだか。さっきから全然進んでねーじゃねぇか」
「そ、れは」
「早くやんねーと帰れねーぜィ」
なんだか恥ずかしかった(なんで?別に沖田を見てただけなのに、それなのに)
(さっき絡んだ視線が、あんな事を思った私が、)

「オイ、何ぼーっとしてんでェ」

目を細めて顔を近づけてきた。

「っ!」

びっくりして、ホントにびっくりしただけ。

「・・・」
「ご、ごめんアル・・・」

思わず顔を背けた(しかも勢いよく)

「神楽―・・・」

ガラリ、教室のドアが開く。

「おまえら、そろそろ帰れよー、もう暗いから。沖田、そいつ送っていけよ」

見回りをしている先生だった。また先生はドアを閉めて行ってしまった。
(先生、私も一緒に連れていって!なんて言えない。早くこの教室から、沖田から離れたい)

「・・・帰るぜィ」
「・・・」

何も言わない私に軽く舌打ちをして私の鞄を引ったくって教室から出て行った。

「!ちょ、沖田?!」

声をかけても無視。
どうやら私は追いかけるしかないようだ。
沖田との気まずい空気をどうしようか、と考えながら。

(ゆっくりと、それでも確実に、私達の時間と関係は、)

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