頬杖ついて実況中継


「ふぁあ・・・」

僕等の学校生活

頬杖ついて


あぁ眠い。ねみーなアンチキチョー。


えー。ただ今、坂田銀八の行う国語(古典)の授業になりまーす。
実況者は、俺、沖田総悟でございやす。
よろしくお願いしまさァ。

(とりあえず、俺がナレーターまがいな事を始めた理由を簡単に説明しやしょうか。)

理由は簡単。眠いから。
幸いこの席は1番後ろだから教室が見渡せる絶好のナレーターポジション。

というわけで、今にいたる、って事でさァ。
わかりやしたかィ?
って事で早速・・・。

教室をぐるりと見渡す。
前では志村(新八)が銀八につっこんでいる。毎日お疲れ様でさァ。
そこから少し離れた所では桂が裁縫をしている。
見覚えのある白い物体を縫っているようだ。
(真面目な顔をしているくせに、以外な野郎だ。そして器用。)
俺の斜め前には土方さん。
ノートをとっているようだ(真面目なふりしやがってアノヤロー、後でノートちぎってやらァ。
というか銀八の授業でノートにとるような事あったっけか?)
近藤さんは志村(姉)をじっと見つめている。目がまるで恋する乙女だ(姐御の
こめかみがぴくぴくしている気がする。恐ろしい)
銀八は銀八でペロペロキャンディーを吸って・・・舐めている。
せんせー、煙でてまーす。
しかも教科書からジャンプがはみ出てまーす。

・・・なーんて実況中継しても誰も反応してくれないからつまらない。
ため息を一つついて窓の外を見る
(俺の席は窓側の1番後ろだ)
青い空に白い雲。
夏!っていう感じの空だ。
絶好のプール日和だな、なんて思い反対側に目をやる。

そろそろ実況再開しよう。

瓶底眼鏡でここ、日本ではありえない(世界単位でもありえないかもしれない)
ピンクの髪をした奴が早弁をしていた。
オイ、まだ二時間目だぞ。
俺の視線に気付いたのか神楽がこっちを見る。

「何見てるアルカ、私のタコウィンナーはやらねーぞ」

そう言ってフォークにタコウィンナーを刺して口に頬張る。

「誰がいるか」
「フン、じゃあ私に見とれてたアルカ?残念アルナ、私はお前に興味ナイネ。顔
洗って出直して来いヨ」

可愛くねー、コイツ。タコウィンナー頬張ってる奴に言われたくない。

「誰がお前なんか。自惚れも大概にしろや、自意識過剰女」
「うるっさいアルナ。もう黙ってろヨ、静かに食べたいアル」
「なんだとこのや―」
「オイオイお前ら授業中に痴話喧嘩ですかー?てか神楽、授業中堂々と早弁すん
じゃねーよ。少しは遠慮しろ」

いつの間にか目の前に立っていた銀八は俺達を見下ろしていた。
(いや、その目は、みくだしていた、に近いかもしれない。心外だ)

っていうか、今この教師は何て言った?
突然の事に思考回路がショートしたらしく、数秒たってから口から言葉が飛び出
した。

「「痴話喧嘩じゃない!!」」

俺達の叫びが教室に響いた。

「おお、息ピッタリ」

お互い顔を見合わせて、フン!と反対方向に顔を向ける。
あぁ、なんて腹の立つ女だ。
なんて、思っていたのに。
まさか、まさかあんな事になるなんて。
人っていうのはなんて恐ろしいんだろう。

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