やっちゃった。
「ウゲ」
やっちまった。
僕等の学校生活
教科書貸して
「なぁ、オイ」
「・・・」
「オイって」
「・・・」
返事を返さないから消しゴムを投げつけてやった。
「いたっ、何するアルカ」
「さっきから呼んでんのに返事しねェからだろ」
「だったら名前で呼べヨ、オイじゃわかんないアル」
それもそうだ。
「で、何か用かヨ」
「教科書貸せ」
「は?」
「だから教科書」
「わかってるアル!何でテメーに貸さなきゃいけないアルカ!普通見せて、ダロ?!」
これまた納得。日本語って難しい。
「机寄せろヨ、真ん中に教科書置くから」
「ヘーイ」
ガタガタと机を移動させて教科書を真ん中に置く。
「お前が真面目に授業受けるなんて珍しいネ」
「俺だってたまには真面目にやりまさァ」
「ふーん」
とは言ったものの、ヒマだ。
先生の話なんて右から左に通り抜けていく。(左から右だっけ?)
ヒマが頂点に達したとき、シャーペンを手に取り神楽の教科書に落書きをしてやった。
「あ、お前何してるアルカ!」
「ホラ、俺が手を加えてやっただけでこんなにイケメンになったぜィ」
俺が指で示す先には写真に写った著者の顔。
その顔の額には肉、という文字に頬には猫ひげ。
「ワォ、イケメンー・・・なわけあるカァァ!」
教科書をいきなり掴んで俺の後頭部を殴りつけてくる神楽。
「いてぇ!テメッ、本の角で人を殴るなって習わなかったのか!最悪だな!」
「最悪なのはお前アル!」
「お前等・・・授業中騒ぐな、ってのも習わなかったか?」
背後からトーンの低い声が聞こえてきたと思ったら制服の襟をつかまれてつり上げられた。
例えると猫の首を掴んでブラーンと持つアレだ。
横を見ると神楽も同じ状態だった。
「何すんですか、せんせぇ」
「セクハラー」
「うるせぇえ!おまえら廊下立ってろ!」
そう言われて廊下にポーンと投げられた。
「どーするネ、コレ。おまえのせいアル」
「お前が殴ってくるからだろ」
「何言ってるネ!元はと言えばお前が・・・」
ガラッ
「お前等・・・そんなに元気有り余ってるなら放課後トイレ掃除な」
開け放たれた教室のドアには青筋を立てて口端をひくつかせている先生がいた。
(まるでいつぞやの授業で見た般若みたいだと思った。恐怖!)
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