黒は光を吸収!
僕等の学校生活
お気に入りスポット
神楽が転入してきて数日。
その数日間、隣の席の神楽とはなんの会話もない。
転入してきた日の銀八の授業が終わった10分休憩の時、神楽は志村妙(姐さん)と話してた。
転入生なんだから普通は休み時間はみんなに囲まれる、っていうのが普通じゃないのか?
とか思ったけど(あぁ、なるほど)きっと神楽は普通じゃないんだ。
髪もありえないピンクだしおまけに牛乳瓶底眼鏡。
更に留学生ときたからみんな気安く話仕かけられないんだろう。
そう考えたら姐さんはすごい。
姐さんが気軽に話しかけてくれて神楽も少し緊張が解けたようだ。
・・・そんな回想話はどうでも良い。
問題は今、だ。
帰りのホームルームも終わり、部活に連れて行こうとする土方さんの手をかいくぐり高1の時からのお気に入りスポット、屋上に逃げた。
逃げるとき背後で土方さんの怒鳴り声が聞こえてきた。
きっと、あとで山崎あたりがとばっちりをくらうだろうがしったこっちゃない。
それで暖かい春の日差しを求めて屋上に続くドアをあけた。・・・まではいい。
そこには先客。
普段屋上には剣道部員しかいない。
というか剣道部員が頻繁に屋上を使うからみんな避けるようになった。
だからもう部活も始まっているから誰もいないと思っていたのに。
ちなみに部活をさぼると鬼の副部長の制裁を受けることになる。あぁ怖い。
それで先客をよく見てみると、そこにいたのは。
「・・・何突っ立てるアル、邪魔ネ」
俺の方も見ずに言ってきた。こいつ、頭に目でもあるのか?
「神楽こそ、何やってるんでィ」
「・・・」
日陰の所に座っている神楽の隣に行く。
「無視かィまぁ、いいけど」
そう言って日の当たる場所に移動して寝っ転がる。
アイマスクを取り出そうとしたとき後ろから呟き声が聞こえた。
「いーな・・・」
アイマスクを取ろうとしていた手をポケットから出し、上半身を起こして神楽の方を見る。
「何が」
「日に当たれるの」
「オメェもこいよ」
「行けるならとっくに行ってるネ。行けないからいーな、って行ってるアル。バカか」
こいつ毒舌だったのか。新発見。
「病気か?」
「まぁ、そんなとこネ。だから日に当たれないのヨ」
「ふーん」
日に当たれないなんてかわいそーに。
俺には関係ねェ、と思ったけど神楽のため息が聞こえてきて何とも言えない気持ちになった。
(くそっ)
ガバッと立ち上がって神楽の方に向かう。
「・・・?」
いきなり神楽の目の前に仁王立ちしている俺を不思議そうな目で見てくる。
その目の前で学ランを脱ぎ、バサリと神楽にかける。
「うっぷ!何するアル!」
「春の日差しのにおい、だろ?」
「へ?」
アホ面で俺を見上げてくる。
「・・・学ランは、黒だろ?だから光を吸収するんでさァ」
「・・・」
やっと意味がわかったのか、あぁ!と言いながら手をたたいた(バカか?というか鈍い)
「アリガトネ!えーと・・・ゆぁねーむ?」
「何でいきなり英語?しかも発音悪ィ・・・俺は沖田総悟でさァ」
「起きた総合?」
「わざとかテメェ」
「チャイニーズジョークアル、アリガトアル、沖田!」
そんな満面の笑みで言われるとやったこっちが恥ずかしくなってくる。
「・・・おぅ」
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