安易な幸せ
ふわり、と宙を舞う。
あぁ私は今鳥になってるんだ、と思う。
音も無く走る。
あぁ私は風になってるんだ、と思う。
ぐしゃり、と花を潰す。
あぁ私は今小さな命を奪ったんだと実感する。
同じ命なのにどうして人と花は違うのかな?
なんて銀ちゃんに聞いてもさぁな、ってはぐらかされた。
答えてもらえるとは思ってなかったからいいけど。
人間と花の命の差ってなんだろう。
生きてる、と咲いてるの違い?
なんてこんな難しいこと考えても私の小さい脳では答えはでない。
銀ちゃんにはわかるんだろうか。わからないかな。否、きっとわかるに違いない。
銀ちゃんは大人で普通の人とちょっと違う人生を送ってきたから。
まだまだ子供な私は人生経験とかもないから難しい事はわからない。
私がもっと博識ならこの答えは出るのだろうか。
周りに聞こうにも私の周りにいる人にはどう考えても博識な人は見当たらない。
この答えはでないまま終わりそうだ。
「何変な顔してんだよ」
ぐしゃりと乱暴に頭を撫でられる。ちょっと痛いけどちょっと嬉しい。
あぁ何だか命の差なんてどうでもいい。両方生きてるんだし。
命の差の違いとかはわからないけど人と花の違いならわかったよ、
そう銀ちゃんに言ったらヘー、っていかにも興味ありません、みたいな感じで言われたけど気にしない。
「人は花と違って頭撫でてもらえるネ。それでちょっと幸せな気分になれるアル!」
自信満々で銀ちゃんに言い放ってやったら爆笑された。
そしてむくれてる私の頭をさっきより優しく撫でてくれた。
「今、幸せか?」
「ウン!」